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巻線型パワーインダクタの立体的な外形イメージ。
外形のイメージです。採用品番の形状と寸法はメーカー図面で確認してください。

車載用インダクタAS1A:仕様と電流定格の読み方

AS1A60201R0MTの正式カタログを例に、代表値と限度値、IsatとIrms、自己発熱を含む温度範囲、車載用途の確認資料を整理します。

車載電源用インダクタの仕様は、完全な品番、測定条件、限度値がそろって初めて選定に使えます。シリーズ全体の数値範囲だけでは、候補部品が必要なインダクタンスを保ち、回路電流を流し、温度制限を守れるか判断できません。SunlordのAS1Aを例に、製品紹介をそのまま設計保証に置き換えずに読む方法を整理します。

現行カタログと完全な品番を確認する

出典は、メーカーの製品カタログからリンクされた18ページのAS1Aカタログ、2026/09/21改訂版です。1ページは品番の構成、10ページはAS1A6020の一覧、12ページは電流定格の注記を示します。公差、梱包、個別設計の接尾記号も含めて部品を識別してください。

2025-02-26のAS1A製品紹介は背景資料です。効率、強度、生産状況の一般的な説明は、承認済み部品仕様書の代わりにはなりません。試料や試験条件がそろわない比較性能の数字は、本稿では転載しません。

シリーズの範囲ではなく、一つの品番を読む

例はAS1A60201R0MTです。下表の電流値は代表値を引用しており、保証された許容動作電流ではありません。

項目カタログの記載条件と制限
インダクタンスL1.0 µH、±20%1 MHz / 1 V。10ページ
DCR0.025 Ω Max.、0.019 Ω Typ.列を混同しないこと。行内にDCR測定温度の個別記載はありません
飽和電流Isat7.40 A Typ.インダクタンスが約30%低下。12ページの注記
温度上昇電流Irms4.20 A Typ.周囲20°Cから約40°C上昇させる直流。12ページ
使用温度範囲−55°C~+150°C自己発熱を含む。1ページ

元の表には電流の「Max.」「Typ.」列と、別の定格電流の定義もあります。列名を独自に読み替えたり、大きい代表値を保証限界としたりしないでください。採用する完全な品番について、メーカーの承認済み限度値と温度特性を取得します。

磁気特性、発熱、認定の根拠を分ける

Isatはインダクタンス低下の判定、Irmsは試験構成での発熱を表します。カタログの定格電流は、Isat(Max.)とIrms(Max.)の小さい方です。それでも、ピーク電流、実効電流、必要なインダクタンス、過渡動作は別々に確認する必要があります。Coilcraftの電流・温度定格の解説はこの区別の参考になりますが、同社の試験条件をSunlordの条件に置き換えてはいけません。

+150°Cは自己発熱を含む上限です。周囲温度を+150°Cにして、さらに巻線損失や磁心損失による発熱を加えてよいという意味ではありません。製品紹介と後年のカタログでは下限温度が異なります。本稿では明示したカタログ版を使い、調達仕様はメーカーと確認します。

1ページの「AEC-Q200-G0 verified」は供給元の表示です。本稿のために認定報告書を審査したものではありません。CoilcraftのAEC-Q200解説は部品のストレス試験による認定を説明しています。該当報告書と顧客の受入条件を取得し、表示だけで車載モジュールや安全機能の承認としないでください。

仮定を明示した電流計算を行う

以下はAS1Aの実測ではなく、独立した計算例です。電流は連続で三角波状のリップルを持ち、直流成分3 A、ピークツーピークのリップル1 A、評価条件でのDCRを0.040 Ωと仮定します。この抵抗は例の入力であり、上表の部品のカタログ値ではありません。

I_peak = I_DC + ΔI_pp / 2 = 3.50 A
I_RMS = √(I_DC² + ΔI_pp² / 12) ≈ 3.014 A
P_R = (3² + 1² / 12) × 0.040 ≈ 0.3633 W

ピーク電流を直流バイアス特性と照合し、実効電流を巻線発熱の検討に使います。この計算には追加の交流巻線損失と磁心損失は含まれていません。基板の熱特性なしに温度上昇、効率、寿命を求めることもできません。起動、過負荷、故障時の波形は別途確認します。

審査と調達に使える仕様へまとめる

  1. 完全な品番、カタログと承認図の版、供給元、変更通知の取り決めを記録します。
  2. 測定周波数でのインダクタンスと公差を定め、実際の直流バイアスと温度で必要な値が残るか確認します。
  3. 代表値と保証限界を分け、飽和判定、温度上昇試験、DCRの条件、温度曲線を残します。
  4. 実際の電源回路、配置、冷却条件で損失と温度を評価し、波形と測定条件を保存します。
  5. 部品と変更に対応する認定資料を取得します。車両安全、顧客認定、モジュールの最終受入れは担当技術者が判断します。

インダクタ電流チェックは初期計算に、データシート一覧は候補資料の検索に利用できます。承認済み部品仕様や基板での検証を代替するものではありません。

参考資料と改訂内容

Sunlordの現行カタログは品番別の値と定義、製品紹介は背景確認に使いました。Coilcraftの二つの解説は定格と認定の考え方の資料であり、Sunlordの試験結果ではありません。本稿は効率、機械試験、顧客認定の成果を主張しません。

2026-10-26改訂:出典を修正し、シリーズ範囲を完全品番の例に変更。代表電流と限度値を分け、自己発熱を含む温度範囲と仮定の計算を追加しました。AIによる編集確認のみで、独立した母語話者の技術審査や個別車載用途の受入審査は未実施です。元のURLと公開日は編集記録に保持しています。

発行者

Mag Coil

2025/04/10

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